失恋から立ち直るのに必要なのは爆発力でした

「おめでとうございます。どうぞ景品を選んでくださーい」

 スタッフにそう声をかけられた神林くんは、私に言った。

「好きなの選んでよ」

「どれどれー?」

 駄菓子の詰め合わせだった。

 どれも同じようでいて、味が違ったりしている。

「むむむ……これは難問……」

「駄菓子好きだもんね」

「あれ? 私そんな話した?」

「昼休みにしあわせそうに食べながら、そう言ってるのを耳にしたことがある」

「そうなんだー」

 一旦は納得して駄菓子選びに戻った。

 けれど、あれ? と思い直した。

 たまたまその場面に遭遇したとしても、よくそんなことを覚えてるね……
 
「決まった?」

「あっ、うん。これにする!」

「じゃあ、それあげるよ」

「えっ、あっ、ありがとう!」

 ただの景品じゃなくて、私が好きなことを知っていて獲得してくれた駄菓子なんだ。

 抱えていると、胸に何か温かいものが伝わってくる気がした──

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