繋いだ手は離さない
 愛理香が首を縦に振って頷く。


 そしてボクも、


「俺も公募通ってたらいいんだけどね」


 と言い、軽く息をつく。


 ボク自身、今回の作品にはかなりの自信があった。


 ただ、下読みの人間たちの目を潜って、選考委員の目にまで留まるか……?


 それだけが心配だった。


 落ちたら、また一からやり直しになる。


 だが、それもいいかなと思ったりもした。


 別に作家になるのに早いも遅いもない。


 むしろ書き手というものは厳しい試練を経てから誕生するのだ。


 ボクは考えていた。


“気楽に待とう”
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