繋いだ手は離さない
 今がちょうど午前八時半過ぎだから、午前九時開始の一限目には十分間に合う。


 ボクは愛理香から言われた通り、部屋で待ち始めた。


 そう、約二時間後には愛理香が戻ってくるのを知って……。


 そしてボクは愛理香の部屋で食材を拝借し、簡単な朝ご飯を作った。


 トーストとスクランブルエッグ、ボイルドソーセージと野菜炒めを二人分作り、コーヒーを二杯淹れた。


 愛理香が帰ってきたら、二人で揃って食べるつもりでいたのだ。


 そして彼女は時間通り、午前十時のほんの少し前に、自宅アパートへと帰ってきた。


 バッグには図書館で借りていた本を何冊か入れて、だ。


「読書の秋だから、何か読みたいの?」


「うん。一応、専門の本も併(あわ)せて借りてきてるんだけどね」


「そう……」


 ボクは言葉尻を濁しながらそう言い、言った後、

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