繋いだ手は離さない
第9章
    9
 ボクたちはその年の十一月、愛理香の部屋で鍋を囲んだ。


 二人で互いのスケジュールを空けて、寒い季節に温まる鍋をする。


 具材は二人で近くのスーパーに行って、そこで調達してきていた。


 肉や魚、野菜、うどん玉など、材料になりそうなものを買ってきて、沸騰した鍋のお湯に入れ、茹で上げる。


 それを酸味の利いたポン酢で食べるのだ。
 

 ボクも愛理香も温かい食卓を囲みながら、ゆっくりしていた。


 その日は夕方から夜まで部屋にいて、二人で食事を取った後、セックスをして、性交後に二人で入浴する。


 ボクが愛理香の髪を洗い、シャンプーの泡を流すと、リンスまでした。


 その後、体まで綺麗に洗ってしまい、混浴したボクたちは、ある程度時間を掛けてバスルーム内で寛ぐ。


 バスタブには愛理香がお湯を張ってくれていて、二人で入りながら、体を温めた。


 そして風呂から上がり、バスタオルで髪を拭くと、ボクたち二人は缶ビールで乾杯した。
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