《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
叶わぬ夢に憧れを抱く無垢な少女のように、《我がまま聖女》はどこか遠い目をしている。
普通の女性が望むような煌びやかなドレスや宝石、人も羨む地位や名誉といったものは、ユフィリアたち聖女にとって無用の産物なのかも知れなかった。
レオヴァルトは驚いたように一瞬目を見開いたが、すぐに頬を緩めてふ、と微笑んだ。
「その望み、必ず叶えてやる」
レオヴァルトは力強くうなづく。
そしてゆるりと笑みを浮かべたが、ユフィリアは視線をそらせた。
「でもレイモンドは、私の力の強大化を条件に出してきたんでしょう? そこはどうするの? 私っ、あなたとその……《《どうこう》》するつもりはないわよ?」
ユフィリアのグラシアを強大化させるためには、夫となった者との性的な交わりが必要だ。
「私に考えがある。だがそれを話す前に確認しておきたい。人助けをしたいと言いながら、なぜ聖女の役割を放棄する? さっきから聞いていればやたら貴族を避けているようだが。貴族だって平民と同じでグラシアを必要としている。救いを求める者が目の前にいるのに、なぜ助けようとしないんだ。言っていることが矛盾してはいないか?」
レオヴァルトに非難の目を向けられているような気がした。
「そっ、それは……」