友達オーディション
あぁ、早く学校に戻りたいなぁ。
「これ、私がいつもつけている香水なんだけど、奈美ちゃんにわけてあげるね」

透明な小瓶を手渡されて鼻を近づけてみると、甘いいい香りが鼻腔を刺激した。
「わぁ、いい匂い!」
そう言った次の瞬間なんだか胸の奥がムカムカした。

こんなことは初めてで、慌ててベッドから飛び降りて個室についているトイレへと走った。
香水の匂いが自分に合わなかったのかもしれない。

そう思いながら私は少しだけ吐いた。
「早く学校に戻ってきてね? 奈美ちゃんは私の友達なんだから」

後方から女の子の声が聞こえてきて、私はふらりと立ち上がり、微笑んだ。
頭がぼーっとして、なんだかなにも考えられない。

「うん。そうだね。私達友達だよね」
私はロボットのようにそう答えて椎名と手を握りあったのだった。

END
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