Nightmare of Light.




「憂巳さんは……、カシラは、相変わらずバカなことしてっけどちゃんといるからな。心配しなくていいぞニコ」


「………ジロー?」


「あの人も……本当はおまえのことが大好きなんだ」


「…じろー…?」



手話を使ってくれないと分からないよ。
最後くらい使ってよ。

面倒かもしれないけれど、最後だからそれくらいの世話を焼いてくれたっていいのに。



「たくさん勉強していろんなこと知ってっ、友達も信じられるヤツ1人でいいから作ってっ、めいっぱい可愛い女の子になれよニコーーー!!!」



矢野さんが運転する後部座席。

どんどん離れていく屋敷から追いかけてくるジローは、最後の最後まで何かを叫んでいた。


そんな矢野さんの運転も初めて遅いと感じた今日。



「それでは世話をかけますが、よろしくお願い致します」


「いいのいいの!いつも海人がお世話になってるみたいだし、恩返しだと思って!」


「…ありがとうございます」



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