Nightmare of Light.




“このひとは、だれ?”


“知らなくていい”


“ゆーみに聞いてもいい?”


“駄目だ。…嫌われるぞ”



それは嫌だ。
なら見なかったことにするしかない。


別にヤキモチとかじゃなく、純粋に知りたかったんだ。


黒髪も似合っていたから、銀髪にした理由とか。

こんなふうに笑えるのに、どうしていつも貼り付けたような笑顔をしているのか。



“ここはどういう組織なの?”


「……………」


”カシラって、なに?”



もしわたしがここでのお役目を終えたなら、また捨てられちゃうの…?

そうしたら本当にひとりぼっちになるね。



“いずれ分かる”


“ゆーみはいつ帰ってくる?”


“…わざわざ教えてもらわなくとも、ここにいれば知るときが来る”



わかってない、この人は。

わたしは噂話に耳を傾けられない人間だってこと。


この目で確かめなければ知ることができない人間だというのに。


…………この目で、確かめる。



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