初恋、叶えてもいいですか?
急いでスマホを手に取り、既読をつけないようにしてもう一度メッセージを確認すると……。
『さっきはあんな風に言ったけど、やっぱり付き合うことを前向きに考えてもいいかな?』
なんて、夢みたいなメッセージがきていた。
………え?!うそ……、うそ!うそ!!
まだ両思いになれたわけじゃないのに、嬉しさを隠しきれず自然と上がってしまう口角。
スマホを持つ手は、小さく震えている。
返事をするために今度は既読をつけてメッセージを読もうとしたら、スマホの画面が大きな手によって覆われて見えなくなってしまった。
その手の主に視線を向けると、にこりと笑うのは隣に座っている大西くん。
「あのさ、槙田ちゃんは、俺の初恋の協力をしてくれるんだよね?」
「……え?それは、もちろん!」
先程までのキラキラと眩しい笑みじゃなくて、少し威圧的に感じる笑みを浮かべた大西くん。
そのままスマホを大西くんに回収され、改めて大西くんとの話に向き合う。