一途な皇帝陛下の秘恋〜初心な踊り子を所望する〜

晴明様は何者?

眩い朝焼けが窓から差し込み目が覚める。

こんなにも深く眠れたのはいつぶりだろうか…。

頭がぼぉーっとして直ぐには起き上がる事も出来ないでいた。

ここは…どこ?
まるでまだ夢の中にいる様な感覚だ。

「姐様?…鈴姐様、お目覚めですか?」

この声は…
寧々ちゃん…そうか…私、夢を見ていたのね。
目を覚ますのも勿体無いくらい素敵な夢だった…。

「姉様?お腹空いてませんか?」

…お腹…そういえば…空いたわ。
そろそろ起きなくちゃ…寧々ちゃんが座長に怒られてしまう…

「…おはよう…寧々ちゃん…。」

身体を起こそうとするのに、身体中がなぜだか重くて直ぐに動き出す事が出来ない。
それでも、眩い光の中そっと目を開ける。

あれ…ここは…!?
いつものせんべい布団とは違うふわふわのお布団の手触りに、ハッとして急に目が覚める。

ここはどこ?
高い天井に…これは…寝台?
高級そうな布地の天蓋付きの寝台に驚き、慌てて飛び起き布団の上で正座して、周りをキョロキョロ見渡す。

「ふふふっ、おはようございます。
ここは若様の別邸です。姐様は昨夜、馬車の中で眠ってしまわれたんですよ。」

「えっ…なんて失礼な事を…。」
自分の失態に気付き、サーッと血の毛が引いて行くのが分かる。

「大丈夫です。若様はそんな事で怒るような心の狭い人ではありませんから。ただ、お姐様を心配されて、身の回りのお世話をと私が呼び出されたのです。」

「寧々ちゃんは…あの彼をいつから知っていたの!?」

「私の真の主人は若様ですから。
実は私、ずっと姐様をお守りするように仰せつかって側にいました。」

「寧々ちゃんが⁉︎
…いつから…確か…私が唄うようになってからだから…3年前から⁉︎」

私の全く知らないところで守られていた事を今初めて知る。

「ちなみに私、こう見えて今年で15になります。」

「ええっ!?」
もう既に思考回路は混乱状態。
13歳だと思っていたのに⁉︎

頭が再びボーっとして思考停止状態になり、何も考えられなくなる。

何気なく視線を下げると…
えっ…?

昨夜着ていたはずの衣装では無い事に気付く。
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