❁live your life❁
頭を下げると、おじさんは私の肩を持ち頭を上げるように言われた
ゆっくりと頭を上げたら、そこには微笑んだ顔があった
「珠希ちゃん。君が居てくれたから、海月は生きてる。もし、珠希ちゃんが居なかったら、海月は汐月と同じ運命になっていたはずだから」
私が居たから……
その言葉を聞いた瞬間、溢れでた涙
おじさんは私の背中を優しく撫でながら、ゆっくりと話す
「それに、警察から連絡があった時…近くに落ちていたバットが6年前の物かもしれないから、当時の事をもう一度詳しく聞かせくれと頼まれたんだ。当時、担当してた警察官が、そのバットが証拠かもしれないと必死に訴えかけた女の子がいたと言っていたよ」
「……っ」
嗚咽が出て言葉にならない私におじさんはニッコリと笑った
「私はね、こんな偶然が本当にあるのかと驚いているんだ。今まで事件は解決に進むどころか証拠すらなく未解決事件として処理されようとしてる時に、海月と珠希ちゃんのお陰で状況が一気にひっくり返ったんだから。もしかしたら、汐月が導いてくれたのかもしれないな」
汐月……
おじさんは、海月の顔を覗き込むと近くにあったパイプ椅子に腰を下ろした
「私も母さんも、そして海月も。あの日から抜け出せずに立ち止まったままだから……そんな私達の為に汐月が前を見て進めと言っているんじゃないかと思ってる」
そう言ったおじさんは、ひと粒の涙を流した