❁live your life❁

彼の無邪気に遊ぶ姿に口元が緩む


「やっと笑った」


「え?」


アンチ君は、ゆっくりと私の前まで来ると顔を覗き込んだ


「汐月……いや、違ったか。海月が拉致られた話しをした時から落ち込んでたでしょ?」


ドキッとした


でも……


アンチ君には私が海月に想いを寄せてる事、バレてるんだったな


私なりに平常心装って何ともない振りをしていたのに…なんで、この人はいつも私の心を読み取るんだろう


「……アンチ君って、エスパーだったりするの?」


「フハッ!エスパーって」


喉を鳴らすように笑うと、私の手を握った


「珠希ちゃん、気が付いてないかもだけど。結構、表情に出てるよ?分かりやすいもん」


「え!?」


そんなに露骨に顔に出てたんだろうか…
だとすると、聖奈達も気付かれてるの?


急に恥ずかしくなって、アンチ君から目を逸らし俯いた


きっと顔が真っ赤だ

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