1日限りのニセ恋人のはずが、精鋭消防士と契約婚!?情熱的な愛で蕩かされています


母親同士はクスクスと笑っているから、気が合うようだ。
妻に相手にされず項垂れた正親は、大会社の社長というイメージからはほど遠い。
なんだか気の毒になった紗彩は言葉をかけようかと立ち上がったが、すぐに結都に止められた。

「紗彩、ほっとけ」
「でも」

「父にも考えを改めてもらういい機会だ」

紗彩と結都が出会ってから、こんなに周囲を巻き込んで運命が変わってしまったのだ。
これから生まれてくる子どもにだって、どんな人生が待っているのか誰にもわからない。

紗彩が「結婚式を挙げよう」と言いだした結都に賛成したのは、妊娠がわかったからだ。
いつかこの子に、家族が揃って笑っている写真をみせてやりたいと思ったのだ。
両親だけでなく、祖父母や伯父の家族。皆が祝福してくれている日が、一枚の写真に残せたら素晴らしいことだ。
きっとこの子にも、幸せが形になって伝わる日がくるだろう。
あなたも皆から愛されているんだよと話してやりたい。



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