1日限りのニセ恋人のはずが、精鋭消防士と契約婚!?情熱的な愛で蕩かされています
「あの、お口に合いましたでしょうか」
「黙って食べてないで、なにか感想を言ったらどうですか?」
結都もじれったそうに促してくれる。
「とっても美味しい! 生乳の風味がいいわね。これをスーパーマーケットで販売する予定なの?」
スプーンを置くなり、千穂が感嘆の声をあげた。
「はい。最初は地元中心になりますが、量産体制が整ったら全国で販売できたらと思っています」
以前は大手のスーパーマーケットと契約更新できなかったが、この商品なら販売してもらえる自信がある。
「都内のレストランでも喜ばれそうだわ。そういった販路は考えないの?」
「まだ生産量に課題があるので」
正親もウンウンとうなずいている。
「正直、驚いたよ。結都から梶谷乳業への援助を頼まれた時は、単に恋人のお母さんが経営する会社だからと思っていたんだが」
「申し訳ありません。白川ホールディングスからご支援をいただくためにも、まず商品を知っていただきたくてお持ちしました」
細かい成分などの説明を、白川夫妻は笑顔で聞いてくれている。どうやら新商品は合格したようだ。
「乳脂肪が多いって聞いていたからしつこいかなと思ったけど、甘みと酸味のバランスがいいわ」
「ありがとうございます」
だが、紗彩の勝負はこれからだ。