1日限りのニセ恋人のはずが、精鋭消防士と契約婚!?情熱的な愛で蕩かされています



「これまでわが社の工事関係を請け負ってくれていた業者は、偶然ですが白川ホールディングスとの関係も良好だったので継続するものと思っていたんですが……」

これまでと同じ建設会社なら、特命で発注してもおかしくはない。
紗彩自身、そうなるとばかり思っていた。

「山岡さんはいったいどこの会社を?」
「噂では金子製作所と、その同族会社だとか」

金子製作所と聞いて、紗彩も唖然とした。
山岡が紗彩に勧めてきた見合い相手の父親が経営する会社だからだ。
偶然にしても出来過ぎている。山岡はずっと金子製作所と関係があったのだろうかという疑問が生まれてきた。
田村が紗彩に話してくれたのも、きっと癒着のような雰囲気を感じたからかもしれない。

「教えてくださってありがとうございます。調べてみますから、田村さんはどうぞお仕事に」

「奥様がご不在ですから、無理だけはしないようにしてください」
「ありがとうございます。なにかわかったらお伝えしますので、この件は内密にお願いします」

ふたりは山岡に重い疑惑をかかえてしまったが、やみくもに話せることではない。
秘密を抱えた紗彩は結都に相談しようかと迷ったが、その考えは押し殺すことにした。

(結都さんに心配かけるだけだわ)



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