これを運命というのなら
ほら……やっぱり。

ここもまた訊かな伝えてくれへん。

言葉が足らへんのは今に始まったことやないけど面倒くさい。

そやけど……ありがと。

そう伝えると、明日アダンからアクションあるんが手っ取り早いんやけどな。


そうも上手く行かず、次の日の15時頃――。

陽希さんから電話で話を聞いていた畑中さんが出社して来てくれて。


「行くなら早い方がいいやろうから行って来い」


そして―――陽希さんは玲の出勤時間に合わせて、キララへ。


心配やろうけど伊藤を信じて、待ってような。


窓の外を見ながら、きっと不安な顔をしていたんやろう私の隣に立って髪を撫でてくれる。

小さく頷いて畑中さんを見上げると、大丈夫や。

陽希さんが誰よりも信頼している畑中さんの言葉は、他の誰よりも説得力がある。

畑中さんもまた誰よりも陽希さんを信頼しているから。


ありがと、畑中さん。

あたりまえやろ!
伊藤の女の藤崎の不安を少しでも消すのも俺の役目。
だから頼ってや?

頼りにしてる。


もう1度、髪を撫でてくれた畑中さんと微笑み合う。


陽希さん、早く帰って来てな。
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