可愛い番犬を育成したつもりがどうやら狼だった件~だけどやっぱり私の犬はとっても可愛い~

3.二人きりでも大丈夫、よね?

「そういえばどうしてここに来たの?」

 休憩室へ向かいがてらそんな疑問を口にする。
 口にしたものの、いつものように『ひとりで参加する(エリー)が心配だったから』という回答が返ってくると思っていたのだが、彼から伝えられたのは意外なものだった。
 
「僕も貴女と同じ理由ですよ」
「えっ、じゃあ婚活ってこと!?」
「はい」

(嘘! そんな素振り全然無かったのに!)

 だが彼がジェイク・エドムントであるならば、次期エドムント侯爵だ。
 確かにそろそろ婚約者くらいは見つけておいてもおかしくはない。

「婚活目的で来たというなら、私とこうしてちゃいけないんじゃないかしら」
「どうしてですか?」
「え? だってそれは」

 私は貴方の飼い主だから。とは流石に言えず口ごもる。

(まぁ、私も幼馴染みの前で他の令息に声をかけるのはちょっと恥ずかしいものね)

 きっと彼もそうなのだと思い、それ以上は口にしなかった。
 少し気まずい沈黙に包まれつつ、彼と入った休憩室。
< 14 / 37 >

この作品をシェア

pagetop