君の瞳に僕の色は映らない
僕の色が、見えない。


そこで、彼女の手紙は終わった。


最後のその言葉が、ずっと頭の中で消えずにいた。




ただただ、彼女が僕に言いたかったことを一方的に伝えるだけの手紙だった。



もっと、自分のことを話してもいいんじゃないかと思う。


でも、色覚異常のことを教えてくれただけですごいことだけど。




その時、学校のチャイムが鳴って、僕は慌てて手紙をポケットにしまった。



































「見たんでしょ、あの手紙」


ホームルームが終わって、廊下に出ると平山さんがいた。


誰かと一緒にいるわけでもなく、一人で、こちらを見つめていた、



「あの手紙って……」


彼女はそこまでこの人に伝えていたのか。


「あれ、ちゃんと最後まで読んだ?」


「え?読んだけど……」


最後まで読んだところでチャイムがなったから、途中で読むのをやめたなんてことはない。


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