ご先祖様の力を借りて。
急所に当たったのか、片手を振り回しながら叫ぶ妖。

海晴はすぐに離れて、爪が当たらないように遠くから氷の槍で頭を狙う。

少し集中して、槍を放つ。


「グオオオオッ!!」


大きな悲鳴をあげて、妖は倒れるて黒い霧になって消えていく。

海晴はそれを遠くから確認し、ゆっくり近づいていく。

妖が消えた場所には黒い欠片が落ちていて、海晴はそれを拾う。


「……よし、帰るぞ」

「わかった」


うなずいて、走っていく海晴について走る。

強い妖を倒すと、黒い欠片を落とす。

だから黒い欠片を見せれば、仕事をしたってことがわかる。

弱い妖は落とさないから、倒したかわからないけど。

強くなればなるほど大きな欠片を落とすから、海晴が拾った欠片ももちろん大きい。

最近はこの大きさの欠片が増えてるから、やはり心配になる。

この時期になると、妖の数は減ってくるはずなのに。

少し不安になりながら、水真家への道のりを走っていく。

帰り、妖は出てこなかった。

私も海晴も疲れていたから、良かったと思う。


「じゃ、またな」

「うん、また」


水真家に戻ってきて、海晴と別れる。

自分の部屋に帰り、ソファに座る。

……今日も少し疲れた。

そう考えながら息をつく。
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