ご先祖様の力を借りて。

第七話 その日の夜

『美霊ちゃん、大丈夫〜?』

「大丈夫ですよ、お母さん」


先ほどから何度も聞かれている言葉に、そう返す。

帰ってきてから、攻撃を受けて怪我をしていないか、何度も聞かれる。

私より、海晴の方が心配だ。

手を振る時に、少し顔を顰めていた。

痛みがひどくなっているのかもしれない。


『そうね〜……やっぱり心配だわ〜。明日もお仕事でしょう?』

「そうですね」

『怪我をしないかしら〜』


……確かに今日は危なかったけど、こんなことは滅多に起こらない。

これからは大人のお仕事もあるから増えるかもだけど、やはり怪我をすることはないと思う。

怪我をしないように、気をつければいい。

私は話題を変えるために、時計を見る。

六時半だ、ご飯の時間。


「私、ご飯を食べに行ってきますね」

『あら〜、もうそんな時間なのね〜』

『いってらっしゃい』

「行ってきます」
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