ご先祖様の力を借りて。
私は部屋から出て、食堂に向かう。

その途中、前から海晴が歩いてきた。

思わず声をかける。


「腕、大丈夫?」

「……ああ、少し痛むが、平気だ」

「そう……」


やはり、少し心配だ。

私が腕を見ていると、海晴は大丈夫というように腕を回した。

……でもやっぱり、顔を顰めている。

赤みもひどくなっている気がするし、痛そうだ。

私を守らなければよかったのに。

そう考えて、少し落ち込む。

そんな私に、海晴が話しかける。


「……よければ、一緒に夕飯を食べないか?」

「……わかった」

「では、行くか」
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