今日は我慢しない。

「うなじ……?」



 佐柳は私の頬にキスをして、泣きそうな声で言う。



「もう誰にも邪魔されたくない。三条とずっと繋がってたい」

「……!」



 それってつまり……



「番になるってこと……?」



 佐柳は「うん」と小さく言って、優しくキスをする。



「俺と番になって」



 佐柳は唇を滑らせて頬から首筋に移動させていく。



「っ……、」


 立っていられなくなって、自然とベッドになだれ込む。

 佐柳の手に、唇に、体が震える。

 ドキドキしすぎて怖いのに、気持ちいい。

 甘い、優しい。幸せ。

 このまま流れに身を任せたら、佐柳と番になる……?

 ……いっか。

 そうなればもう誰かに四の五の言われることもないし。

 きっとこれから佐柳以外に番になりたいと思う人も現れない。

 私のフェロモンは佐柳にしか効かなくなって、ほかのαを気にする必要もなくなる。

 何も気にせず、佐柳の強い優しさに甘やかされながらずっとそばにいられる……?



「ん……っ」



 とうとう佐柳の唇がうなじの側まで来て、甘く優しく吸われる。


 体が熱く震えて、反射的に佐柳の背中にしがみついた。

 それを合図に、佐柳がハ、と口を開くのがわかった。



 ――その瞬間。

 ガリガリにやせ細ったお母さんの姿がフラッシュバックした。


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