今日は我慢しない。
……こないだは色んなことがあった。
佐柳と別れてからしばらくしてスマホに連絡があって、お母さんからスマホを返してもらって普通に連絡が取れるということ、転校の話はひとまず白紙になったこと。
よかったね、と当たり障りない返事をしたら、『三条が助けだしてくれたおかげ』『ありがとう』って返事がきた。
助けだした?
違う、私はただ佐柳に会いたくて会いに行っただけだった。
その先のことなんて何も考えていなかった。
αとΩが一緒にいるということは、いつか番になる日が来るかもしれないってこと。
私は全然想像していなかった。
佐柳と離れたくないって気持ちはもちろんあるし、もう会えないかもって思った時は言いようのない辛さに襲われた。
でも、どうしたって死に際のお母さんがフラッシュバックして体が縮こまる。
骨の浮き上がった手、艶のなくなった髪、生気のない唇。
病室のベッドの上、いつも虚ろな目で遠く窓の向こうを見ていたお母さん。
私が『どうしたの?』『悲しいの?』って尋ねても返事はなく、叔母さんに『そっとしときなさい』って病室から連れ出されるのがいつものパターンだった。
だけどそんなお母さんも週に一度ぐらいは調子のいい日があって、その時は決まって私を『大好きよ』って抱きしめてから例のセリフを言う。
『負けちゃだめよ』
『お母さんみたいになっちゃだめ』
『強くなりなさい』
何度も何度も、泣きそうな声で私の体に刷り込むように言う。
佐柳と別れてからしばらくしてスマホに連絡があって、お母さんからスマホを返してもらって普通に連絡が取れるということ、転校の話はひとまず白紙になったこと。
よかったね、と当たり障りない返事をしたら、『三条が助けだしてくれたおかげ』『ありがとう』って返事がきた。
助けだした?
違う、私はただ佐柳に会いたくて会いに行っただけだった。
その先のことなんて何も考えていなかった。
αとΩが一緒にいるということは、いつか番になる日が来るかもしれないってこと。
私は全然想像していなかった。
佐柳と離れたくないって気持ちはもちろんあるし、もう会えないかもって思った時は言いようのない辛さに襲われた。
でも、どうしたって死に際のお母さんがフラッシュバックして体が縮こまる。
骨の浮き上がった手、艶のなくなった髪、生気のない唇。
病室のベッドの上、いつも虚ろな目で遠く窓の向こうを見ていたお母さん。
私が『どうしたの?』『悲しいの?』って尋ねても返事はなく、叔母さんに『そっとしときなさい』って病室から連れ出されるのがいつものパターンだった。
だけどそんなお母さんも週に一度ぐらいは調子のいい日があって、その時は決まって私を『大好きよ』って抱きしめてから例のセリフを言う。
『負けちゃだめよ』
『お母さんみたいになっちゃだめ』
『強くなりなさい』
何度も何度も、泣きそうな声で私の体に刷り込むように言う。