今日は我慢しない。
「え、なんで……?」

「家まで送るよ」

「え!?いいよ、悪いよ!」

「だめだよ。夜道の一人歩きは危ないだろ」

「いやいや、大丈夫だよ、今までも一人で帰ってたし」

「俺が送りたいから送るの。三条は気にせず普段通り歩いて帰ればいい」


 この感じ、佐柳の決意は固くテコでも動かなそうだ。


「……わかった」


 しぶしぶ了承して、駅からの帰路を佐柳と歩く。

 
 なんだか、不思議な感じだ。

 くすぐったい。


 こないだ家に来た時も思ったけど、佐柳とこの道を歩くと変な感じがする。

 佐柳がいることに気を全部持ってかれて、周りに意識を配れない。

 いつもなら人気のない道を歩かないようにとか、変な人がいないかとかそういうことを考えながら気を張って帰るのに。

 佐柳がいる安心感か、なんだか頭がポヤポヤしてしまう。


 あぁ、そうか。

 わたし今、守られてるんだ。


 隣の頼もしい存在感に、心が温かくなった。


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