今日は我慢しない。

「三条は柔道部行ってたの?」

「うん」

「ん?その手に持ってるのは?」

「あ、これ柔道部からの要望貰ってきたの。ほかの部のとまとめてリストしとこうと思って」

「今から?きつくない?手伝うよ」

「……」


 佐柳の言葉は、普通に捉えればただの優しさ。

 でも、『仕事が遅い』と言われてるようにもとれる。

 黒い感情がもわっと湧き出して、それをごまかすように笑顔を作った。


「ううん、大丈夫だよ」

「でも部活で疲れてるだろ。今度の企画の件もあるしー……」

「大丈夫だってば」


 少し声が大きくなってしまってハッとする。

 今のはちょっと言葉きつかったかも……

 恐る恐る佐柳の顔を見る。

 佐柳は、屈託ない笑顔で笑っていた。


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