今日は我慢しない。
 嫌です! めんどくさい!

 と言いたい気持ちを抑えて私はニッコリ笑顔をこしらえる。


「わかりました!」


 お腹すいてるしかなり大変だけど、株を稼ぐチャンス!

 やらない手はない!


「ありがとうな、三条! 今度改めてお礼させてくれ!」


 そう言って先生は私の手に鍵を落とし、小走りで体育館を後にしていった。

 私はお礼は内申点でお願いします、と心の中で手を合わせる。

 さてと、やりますか。
 

 ボール籠を体育館の真ん中に持っていって、そこにボールを入れていく。

 一人の時間はとても楽だ。

 Ωってバレないように気を張らなくていいから、思い切り息を吸える気がする。

 とはいえ、広い体育館の色んな所に散らばるボールを端から集めていく作業はなかなか骨が折れる。

 一度に持てるボールは四個ほどで、残るボールの数は数えきれない。

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