今日は我慢しない。
 お腹がグゥ、と鳴った。

 体育委員め……今頃美味しくお昼ごはんを食べてるのかなって想像したら、なかなかムカついてきた。

 眉間の皺がぎゅううっと深くなった、その時だった。

 ガラガラッと体育館の扉が開いた。



「え、三条?」



 そこに、ジャージ姿の佐柳がいた。

 ドキン、と胸が高鳴る。

 ぱっと目を逸らし、胸に抱えたボールをギュッと抱きしめた。

 どうしよう。 まともに顔を合わせるの久しぶりだ。

 まっすぐに私を見る佐柳の金色の目に、喉の奥が詰まるような感覚がした。


「片付けしてんの? 一人で?」

「う、うん……先生に頼まれて。 先生急な用事できちゃったっぽい」

「あーそうなんだ。 そういえば先生、先週も体育委員に逃げられたって嘆いてたな」


 気まずくて顔を上げられない私と反対に、佐柳はやっぱり通常運転で緊張のきの字もない。


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