今日は我慢しない。
きみが優しすぎるから
「三条さんごめんね。 脚立苦手だからほんとに助かったよ! ありがとう〜!」
「全然いいよ~」
申し訳なさそうに手を合わせる書記の小宮さんに、ポスターを小脇に抱える私は笑顔で手を振ってみせる。
今は放課後十六時。
小宮さんに遭遇したのは数分前、陸上部の練習を早めに切り上げて生徒会室へ向かって廊下を歩いていたところだった。
小柄な小宮さんが大きな脚立にのって大汗をかいてポスターを貼ろうとしているのを見つけて、代わるよ、と提案して今に至る。
小宮さんがいなくなったのを確認してふぅ、と息をついてから、掲示板の方を見る。
掲示板には色々なポスターがぎっしり貼ってあって、あいてるのは高い位置のスペースだけ。
小宮さんよりは背の高い私も、脚立を使わないと難しそうだ。
少し面倒だけど、ちょうどよかった。
生徒会室に行くのはちょっと、億劫だったから。
――なんかごめん
脳裏によぎるのは、生徒会長の気まずそうな笑顔。