今日は我慢しない。

他の誰にも触らせない




 日曜日の学校、朝9:50。

 今日は部活動もなく、生徒たちの賑やかな声は聞こえない。

 私は、教室棟の女子更衣室にいた。

 青いタイツの上に黒のスポーツ用ショートパンツを履き、明るい水色と蛍光イエローの派手色ジャンパーを羽織る。

 それから肘あてと膝あて、手袋に指を通して女子更衣室から出る。

 そのまま廊下を通り、体育館へ。

 中から生徒たちの楽しそうな声が聞こえてくる。

 体育館の扉を開けると体育館の中央に生徒が集まっているのが見えた。

 私と同じように派手色の動きやすい格好をしている人が十人ほど、それから制服姿の生徒会メンバーがカメラや機材、進行表などを見て相談をしている。


「あ、三条さん! こっちこっちー!」


 私に気付いた書記の小宮(こみや)さんがぴょんぴょんと跳ねて私を手招いた。

 腕に〝撮影係〟と書かれた腕章をつけ、撮影用の小型カメラを持っている。


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