今日は我慢しない。
「小宮さん、お疲れ様。 順調?」

「ばっちりだよ~! 三条さんが用意してくれた進行表完璧だもん!」

「そっか、よかった……!」


 小宮さんがフニャッと笑うので、私も自然と笑顔になる。

 いつも笑顔の可愛い小宮さんは、生徒会の癒し系としてみんなに可愛がられている。

 癒されるなぁ、と朗らかな気持ちになっていると、小宮さんが「見て、あの美術部の力作!」と体育館のステージ下あたりを指をさした。

 そこには美術部渾身の大きな手作り牢屋があった。


「凄い……」

「でしょう!?」


 リアルな牢屋の鉄格子はラップの芯をかき集めて、黒く染色して作ったって聞いた。

 すごい大変だったろうな……美術部の人には頭が上がらない。

 そしてその奥のステージ上には、大きく掲げられた【逃走中in松ヶ丘高校】という垂れ幕が見える。


「とうとうだね! 逃走中!」

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