今日は我慢しない。
「は? なに? 無理だけど」


 そう返事をしたのは私じゃなく、なぜかキレ気味のミクちゃん。


「三条さん、少しだけだから」


 原田くんはミクちゃんを無視して私をまっすぐに見て言う。

 なんだろう?

 なんか真剣な顔つきだし、なにかまじめな話があるのかも。


「うん」


 私は頷いてジュースを置いた。

 ごめんね、と言うとミクちゃんはむくれながらも手を離した。


「すぐ帰ってきてね!!」

「う、うん」


 束縛の激しい彼女?と思ったけどこれ以上会話を膨らませても面倒そうなので、ひとまず流す。

 原田くんの後ろについて教室の外へ向かう途中、なにやら視線を感じて周りを見ると、みんなこちらを見てヒソヒソと話しながらニヤニヤしているのがわかる。

 そこで私は思い出した。


 ――原田、優勝したら三条さんを花火デートに誘うらしいよ


 ……は!

 私ってばこんな重大なことを忘れてたなんて!

 きっと佐柳のことばっか考えてたからだ!

 話したい事って、きっとそういう話だよね……!?

 うわ、どうしよう……!

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