神に選ばれなかった者達 前編
お兄ちゃんは、まだしばし探るような眼差しを向けてきたが。

「本当に何もないってば…」

「…そうか…。それなら良いけど…。…良いかい、のぞみは可愛いんだからね。美人だし。気をつけなきゃ」

「はいはい…」

私が美人なら、世の中の女の子はみーんな美人よ。

まったくもう…。お兄ちゃんはいつも大袈裟なんだから。

「それよりも、お兄ちゃん」

「それよりって何?お兄ちゃんには、のぞみ以上に大切なものなんてないよ」

真顔で何言っちゃってるの。

「そうじゃなくて、夢の中の話。この本を読んで、ちょっと閃いたことがあるんだけど…」

「何?どんなこと?…のぞみが危険な目に遭う作戦じゃないなら、何でも良いよ」

そうね。でもお兄ちゃんが危険な目に遭う作戦も、私は嫌だからね。

「上手く行くかどうかは分からないけど…。ゾンビには弱点があって…」

…と、私は本に書いてあったことを、お兄ちゃんに説明し始めた。
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