神に選ばれなかった者達 前編
…辛いよな。苦しいよな。

もう耐えられないって思うよな。

分かるよ、その気持ちは。

ふぁにの友達も、そうだったから。





「…」

気がつくと、夜が明けていた。

夜が明けても、ふぁにの部屋の中は真っ暗だった。

「開けて」もらえるまで、もう少し待たないとな。

「…んー…」

ふぁには、その場でぐーっと伸びをした。

が、すぐに狭い天井に腕がゴツン、と当たった。

身体を折り曲げて、座ったまま眠っていたせいで、身体中が強張っている。

いつものことである。

寝る時あんまり不自由なものだから、夢の中の方が自由に動ける、まである。

…起きても地獄、寝てても地獄って。どんな生き地獄だよ。

でも、しょうがないよな。

響也くん。君も早く、現実を受け止めるしかない。

君は、ふぁにの友達とそっくりだよ。

何となく彼を放っておけないと思ってしまうのは、そのせいかもしれない。

同じなんだ。

自業自得の事件を起こして、その後。

あまりの辛さに、あまりの苦しさに、耐えられなかったあの子と。















あなたが耐えられないならばⅠ END





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