神に選ばれなかった者達 前編
この子は、自分の人生に現れた希望。

この行き詰まった苦しい生活に、一条の光を差し込んでくれる存在。

いつかきっと、自分を深い暗闇から救い出してくれる。

この子がきっと、自分に希望を与えてくれる…。

…そんな願いを込めて。




「…君の名前は、のぞみだ」




空音いそらは、のぞみと名付けた妹の頬を、そっと撫でた。

それ以降、彼女の名前は「空音のぞみ」になった。

そしてその名前通り、のぞみは一生、いそらの生きる希望になった。




…そう、一生。


< 225 / 431 >

この作品をシェア

pagetop