神に選ばれなかった者達 前編
今のが、2回目の死。
それでも、僕の悪夢は終わらない。
僕と…のぞみの、悪夢は。
「…はっ…!」
二度目に意識が途切れた、その一瞬後。
またしても、僕は同じスラム街に立っていた。
咄嗟に右腕を見たが、やはり、元通りにくっついていた。
…まただ…。また、戻って…。
…と、いうことは。
思わず振り向くと、唸りをあげる人面犬達がこちらを見ていた。
…まさか、これを永遠に繰り返すっていうのか?
冗談じゃない。
何度も何度も、餌にされてたまるものか。
僕は逃げ出した。
三十六計逃げるに如かずと言うが、あれは本当だ。
これまでも僕は、ずっとそうしてきた。
僕とのぞみを苦しめる怖いもの、恐ろしいものから、ずっと逃げてきた。
まだ子供に過ぎない僕達に出来ることは、逃げることだけだった。
人面犬達に背を向け、僕は走り出した。全速力で。
僕は学校に行っていないから、頭は悪いが。
こう見えて、足だけは速い。
逃げ足だけは速いのだ。…昔から、鍛えているから。
これまでも何度も、道行く人から財布を引ったくったり、道端で売られている食物を引ったくっては、走って逃げた。
だけど、いくら猿のようにすばしっこくても、僕は所詮子供だった。
逃げようとしても、何度も捕まった。
捕まって、大人達に痛めつけられる度に、思ったものだ。
今度こそは、誰にも追いつけないくらい速く走ろうって。
そうやって鍛えた脚力が今、物を言う…。
…はず、だったのだが。
顔だけは人間のものでも、バケモノ達は犬だった。
犬と人間、どちらが速いかなんて、比べるまでもなかった。
僕が走り抜けた距離を、ほんの数歩で詰め。
バケモノ達は、僕の身体に噛みついてきた。
今度は足だった。
足首から先に、バクッと食いつかれた。
そのまま、僕は足がもつれて転倒した。
凄まじい痛みに悲鳴を上げ、震えながら自分の足を見る。
足首から先が、綺麗になくなっていた。
人面犬がグロテスクな音を立てながら、僕の足を咀嚼する姿が見えた。
あぁ…くそっ…。
この足じゃ、もう逃げることは出来ない。
人面犬相手に、足で勝負しようなんて愚かな考えだった。
死の間際まで、痛みと共に、そのことを嫌と言うほど思い知らされた。
それでも、僕の悪夢は終わらない。
僕と…のぞみの、悪夢は。
「…はっ…!」
二度目に意識が途切れた、その一瞬後。
またしても、僕は同じスラム街に立っていた。
咄嗟に右腕を見たが、やはり、元通りにくっついていた。
…まただ…。また、戻って…。
…と、いうことは。
思わず振り向くと、唸りをあげる人面犬達がこちらを見ていた。
…まさか、これを永遠に繰り返すっていうのか?
冗談じゃない。
何度も何度も、餌にされてたまるものか。
僕は逃げ出した。
三十六計逃げるに如かずと言うが、あれは本当だ。
これまでも僕は、ずっとそうしてきた。
僕とのぞみを苦しめる怖いもの、恐ろしいものから、ずっと逃げてきた。
まだ子供に過ぎない僕達に出来ることは、逃げることだけだった。
人面犬達に背を向け、僕は走り出した。全速力で。
僕は学校に行っていないから、頭は悪いが。
こう見えて、足だけは速い。
逃げ足だけは速いのだ。…昔から、鍛えているから。
これまでも何度も、道行く人から財布を引ったくったり、道端で売られている食物を引ったくっては、走って逃げた。
だけど、いくら猿のようにすばしっこくても、僕は所詮子供だった。
逃げようとしても、何度も捕まった。
捕まって、大人達に痛めつけられる度に、思ったものだ。
今度こそは、誰にも追いつけないくらい速く走ろうって。
そうやって鍛えた脚力が今、物を言う…。
…はず、だったのだが。
顔だけは人間のものでも、バケモノ達は犬だった。
犬と人間、どちらが速いかなんて、比べるまでもなかった。
僕が走り抜けた距離を、ほんの数歩で詰め。
バケモノ達は、僕の身体に噛みついてきた。
今度は足だった。
足首から先に、バクッと食いつかれた。
そのまま、僕は足がもつれて転倒した。
凄まじい痛みに悲鳴を上げ、震えながら自分の足を見る。
足首から先が、綺麗になくなっていた。
人面犬がグロテスクな音を立てながら、僕の足を咀嚼する姿が見えた。
あぁ…くそっ…。
この足じゃ、もう逃げることは出来ない。
人面犬相手に、足で勝負しようなんて愚かな考えだった。
死の間際まで、痛みと共に、そのことを嫌と言うほど思い知らされた。