神に選ばれなかった者達 前編
昨夜と違って恐ろしいのは、この夢が、そこで終わりではなかったことだ。
昨夜は、そこで目が覚めた。
でも今夜は、違った。
意識が薄れた後、俺はまた、教室の中に戻っていた。
まるでセーブポイントみたいに。死んだらこの場所に戻る、って設定されてるみたいに。
…何なんだ。これは。
これじゃあ、まるでゲームと同じじゃないか。
ステージをクリアするまで、何度も同じ場所に戻されて、何度も殺されて命を奪われて、また戻って…。
…繰り返すっていうのか?このループを。何度も?
…まさか。そんな非化学的なことが有り得るはず…。
しかし、目の前に広がっている、現実と言う名の夢は、紛れもなく俺の前にあった。
すると。
「っ…!」
またしても、ドン、ドン、とゾンビが扉を叩き始めた。
反射的に、また扉を押さえようとして、そして立ち止まった。
また同じことの繰り返しだ。
このままじゃまた、扉を破られる。
そしてまた、身体を食われて…それが済んだら、またこの教室に戻されて…。
夜明けまで、それを永遠に繰り返す。
そのことに絶望した俺は、扉から後退った。
…押さえようとしても駄目なんだ。扉を押さえる力より、ゾンビが扉を叩く力の方が強い。
せめぎ合いをすれば、必ずこちらが負ける。
これまでの死の経験で、俺はそのことを学んでいた。
ゾンビを入れないように、入り口を塞ぐんじゃなくて…。
それよりも、教室に入ってきたゾンビから逃げることを優先すべきだ。
そう判断した俺が、くるりと踵を返した時。
押さえる者がいないことによって、ゾンビは難なく扉を殴り破って入ってきた。
「っ…!」
「ヴォォォァァァァ」
異様な叫び声をあげて、ゾンビは教室の中にいる俺を見つけ。
腕を振り上げて、襲いかかってきた。
何とか逃げようと、足を動かしたが。
恐怖と動揺のあまり、足が縺れた俺は。
「がっ…!」
一歩も進むことなく、その場にすっ転んでしまった。
馬鹿っ…。一体何をやってるんだ。
端から見れば、これほど滑稽なことはない。
しかし、それどころじゃない。
俺にとっては、文字通りの死活問題だった。
床に手を着いて、急いで立ち上がろうとした。
でも、そんな隙は与えてもらえなかった。
立ち上がろうとした俺の背中に、勢いよく噛み付いてきた。
バリッという音がして、背骨ごと齧られたのが分かった。
こうなると、最早立ち上がるどころではなかった。
ゾンビが残さず俺を食べ終え、俺の命が果てるまで、されるがままになるしかなかった。
昨夜は、そこで目が覚めた。
でも今夜は、違った。
意識が薄れた後、俺はまた、教室の中に戻っていた。
まるでセーブポイントみたいに。死んだらこの場所に戻る、って設定されてるみたいに。
…何なんだ。これは。
これじゃあ、まるでゲームと同じじゃないか。
ステージをクリアするまで、何度も同じ場所に戻されて、何度も殺されて命を奪われて、また戻って…。
…繰り返すっていうのか?このループを。何度も?
…まさか。そんな非化学的なことが有り得るはず…。
しかし、目の前に広がっている、現実と言う名の夢は、紛れもなく俺の前にあった。
すると。
「っ…!」
またしても、ドン、ドン、とゾンビが扉を叩き始めた。
反射的に、また扉を押さえようとして、そして立ち止まった。
また同じことの繰り返しだ。
このままじゃまた、扉を破られる。
そしてまた、身体を食われて…それが済んだら、またこの教室に戻されて…。
夜明けまで、それを永遠に繰り返す。
そのことに絶望した俺は、扉から後退った。
…押さえようとしても駄目なんだ。扉を押さえる力より、ゾンビが扉を叩く力の方が強い。
せめぎ合いをすれば、必ずこちらが負ける。
これまでの死の経験で、俺はそのことを学んでいた。
ゾンビを入れないように、入り口を塞ぐんじゃなくて…。
それよりも、教室に入ってきたゾンビから逃げることを優先すべきだ。
そう判断した俺が、くるりと踵を返した時。
押さえる者がいないことによって、ゾンビは難なく扉を殴り破って入ってきた。
「っ…!」
「ヴォォォァァァァ」
異様な叫び声をあげて、ゾンビは教室の中にいる俺を見つけ。
腕を振り上げて、襲いかかってきた。
何とか逃げようと、足を動かしたが。
恐怖と動揺のあまり、足が縺れた俺は。
「がっ…!」
一歩も進むことなく、その場にすっ転んでしまった。
馬鹿っ…。一体何をやってるんだ。
端から見れば、これほど滑稽なことはない。
しかし、それどころじゃない。
俺にとっては、文字通りの死活問題だった。
床に手を着いて、急いで立ち上がろうとした。
でも、そんな隙は与えてもらえなかった。
立ち上がろうとした俺の背中に、勢いよく噛み付いてきた。
バリッという音がして、背骨ごと齧られたのが分かった。
こうなると、最早立ち上がるどころではなかった。
ゾンビが残さず俺を食べ終え、俺の命が果てるまで、されるがままになるしかなかった。