神に選ばれなかった者達 前編
ふぁにの友人ほたるは、家族と一緒に暮らしているのに、家族じゃなくなった。
寝る時も押し入れに閉じ込められ、食べる物も満足に与えられない。
それでも、学校のクラスメイトは仲間だと信じていた。
あれほどたくさんのゲームだのお菓子だの、貢ぎ物を与えてやったんだから。
それなのに、全ての悪事が暴かれた今、クラスメイトは最早ほたるの味方ではなかった。
物を買ってくれないなら、ほたるに価値はない、とばかりに。
それどころか、親に隠れて物を買ってもらったことを、学校の先生や親に責められ、叱られ。
親に怒られたのはお前のせいだと言わんばかりに、ほたるが責められることとなった。
こう言うのもなんだけど、元来ほたるは、陰キャである。
お金を持って気が大きくなっていただけで、本当のほたるは引っ込み思案で、自己主張が苦手で。
人前で上手く喋れないほたるは、クラスメイトに責められても、言い返すことが出来なかった。
もしほたるが、もっと気が強くて自己主張出来る奴だったら。
「お前ら、ほたるのお陰でこれまで良い思いをしてきたのに、その態度は何だ」くらい言ってやれば。
もしかしたら、クラスメイトのほたるの見る目も変わったのかもしれない。
だけど、ほたるにそんな度胸はなかった。
言われたら言われっぱなし。やられたらやられっぱなし。
反抗することも出来なくて、そんなほたるの弱い態度が、余計クラスメイトをイライラさせたのかもしれない。
あっという間にほたるは、クラスメイトの嫌われ者となった。
…にしても、あれほど物を奢ってやったのに。
奢ってもらえなくなった瞬間に手のひら返しとは、酷いことをしやがる。
子供って、ほんと残酷だよな。
最初の頃はまだ、集団無視だの、ほたるだけをハブるだの、まだ可愛い嫌がらせだった。
集団無視は可愛くないけどな。
でも、この頃はまだ…「いつかクラスメイト達も、機嫌を直してくれるかもしれない」と希望が持てた。
いつか機嫌を直してくれたら、また前のように仲良くしてくれるかもしれない…って。
…だが、それは虚しい希望だった。
いじめっ子達にとって、ほたるは非常に「いじめやすい」性格だった。
陰キャだしね。元々。
やられても、何一つやり返さないし。
それに、ほたるは悪者だった。
元々、ほたるが悪いことをしたのが悪いんだから。
ほたるだけは「いくらいじめても構わない」、「ほたるをいじめることは罪じゃない」という不文律が出来上がっていた。
そりゃあ、便利なサンドバッグになるよ。当たり前だ。
そのせいで、いじめはどんどんエスカレート。
いつの間にか、クラス中、皆にいじめられるようになっていた。
とはいえ、所詮小学生のいじめ。
大したことはしないだろう…と、思ったそこの君。
甘い。その考えは甘いぞ。
むしろ、小学生だからこそ、平気で陰湿なことをするんだ。
悪意のない無邪気さ、と言うか。
傍から見ていたふぁにも、思わず「うわぁ…」と思ってしまうようなことを、平気でやるんだよな。
寝る時も押し入れに閉じ込められ、食べる物も満足に与えられない。
それでも、学校のクラスメイトは仲間だと信じていた。
あれほどたくさんのゲームだのお菓子だの、貢ぎ物を与えてやったんだから。
それなのに、全ての悪事が暴かれた今、クラスメイトは最早ほたるの味方ではなかった。
物を買ってくれないなら、ほたるに価値はない、とばかりに。
それどころか、親に隠れて物を買ってもらったことを、学校の先生や親に責められ、叱られ。
親に怒られたのはお前のせいだと言わんばかりに、ほたるが責められることとなった。
こう言うのもなんだけど、元来ほたるは、陰キャである。
お金を持って気が大きくなっていただけで、本当のほたるは引っ込み思案で、自己主張が苦手で。
人前で上手く喋れないほたるは、クラスメイトに責められても、言い返すことが出来なかった。
もしほたるが、もっと気が強くて自己主張出来る奴だったら。
「お前ら、ほたるのお陰でこれまで良い思いをしてきたのに、その態度は何だ」くらい言ってやれば。
もしかしたら、クラスメイトのほたるの見る目も変わったのかもしれない。
だけど、ほたるにそんな度胸はなかった。
言われたら言われっぱなし。やられたらやられっぱなし。
反抗することも出来なくて、そんなほたるの弱い態度が、余計クラスメイトをイライラさせたのかもしれない。
あっという間にほたるは、クラスメイトの嫌われ者となった。
…にしても、あれほど物を奢ってやったのに。
奢ってもらえなくなった瞬間に手のひら返しとは、酷いことをしやがる。
子供って、ほんと残酷だよな。
最初の頃はまだ、集団無視だの、ほたるだけをハブるだの、まだ可愛い嫌がらせだった。
集団無視は可愛くないけどな。
でも、この頃はまだ…「いつかクラスメイト達も、機嫌を直してくれるかもしれない」と希望が持てた。
いつか機嫌を直してくれたら、また前のように仲良くしてくれるかもしれない…って。
…だが、それは虚しい希望だった。
いじめっ子達にとって、ほたるは非常に「いじめやすい」性格だった。
陰キャだしね。元々。
やられても、何一つやり返さないし。
それに、ほたるは悪者だった。
元々、ほたるが悪いことをしたのが悪いんだから。
ほたるだけは「いくらいじめても構わない」、「ほたるをいじめることは罪じゃない」という不文律が出来上がっていた。
そりゃあ、便利なサンドバッグになるよ。当たり前だ。
そのせいで、いじめはどんどんエスカレート。
いつの間にか、クラス中、皆にいじめられるようになっていた。
とはいえ、所詮小学生のいじめ。
大したことはしないだろう…と、思ったそこの君。
甘い。その考えは甘いぞ。
むしろ、小学生だからこそ、平気で陰湿なことをするんだ。
悪意のない無邪気さ、と言うか。
傍から見ていたふぁにも、思わず「うわぁ…」と思ってしまうようなことを、平気でやるんだよな。