神に選ばれなかった者達 前編
いやはや、ここはやっぱり超高級店だわ。

だって、マグカップ1個が2000円とか、3000円もするのよ?

蓋付きの保温マグカップ?とかいうのは、もっとお高いの。

とんでもないお値段だわ。

しかも、そんな高級品が、当たり前のようにプレゼントの選択肢に入ってるのがおかしい。

経済観念が狂いに狂ってるとしか思えない。

文房具もたくさん取り揃えられていたけど、それもお高いのなんのって。

消しゴム1個が500円くらいするし。

お洒落なシャープペンシルなんて、1000円越えよ?

鉛筆使いなさい。鉛筆。

って、心の中で何度もツッコミを入れていた。

「さてと…。色々見たけど、何にする?」

「うーん、そうだなー…」

一通り店内をぐるりと一周して、改めて友達と話し合った。

…色々見たけど…。

…やっぱり100円ショップに行かない?

そう言いたいのを必死に我慢。

「やっぱり、このマグカップにしようよ」

嘘でしょ。それ買うの?

友達が選んだのは、2500円くらいのマグカップ。

しかもそれ、税抜き価格よ?

そこから更に、レジで税込み価格になるのよ?

2500円の税込みって、それもう3000円よ、ほぼ。

「でも、それだけじゃ寂しくない?」

寂しくなんかないわよ。上等よ。

そこから更に、何を付け足そうとしてるの。

「じゃ、この紅茶とクッキーをつけようよ」

あ、それ私が最初に見た、500円のティーパックとクッキーのセット。

…合計金額が…3000円を超過。

「よし、そうしよう」

「決まりだねー」

なんてお高いプレゼントなの…。その値段の商品を、ホイホイ人にプレゼントするなんて…。

…あぁ、何だか頭痛がしてくる。気の所為かしら。

しかし、止めることは出来なかった。

マグカップとティーパックセットを、皆でレジに持っていって、お会計。

しかも、そこで落とし穴が待ち受けていた。

「ご自宅用ですか。プレゼント用ですか?」

店員さんが、そんな不思議な質問をしてきた。

…え?何?その質問。

購入した商品がプレゼント用だろうと自宅用だろうと、この人には関係ないのでは?

すると、戸惑う私の代わりに友達が答えた。

「あ、ラッピング用でお願いします」

えっ。

ラッピング用だとどうなるの?

「畏まりました。ラッピング費用200円頂きますが宜しいですか?」

「はい、良いですよ」

嘘っ。

たかがラッピングの為に200円も取られるの?

「それでは、合計はこちらになります」

呆気に取られていると、レジに合計金額が表示された。

その金額を、四人で割る。

大体、一人1000円くらいの出費になる。

あぁ…1000円…。

お兄ちゃんが汗水垂らして稼いでくれた1000円が、たかがマグカップとお茶の為に…。
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