人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
 いくら袖で拭っても、こらえきれない涙が次々あふれてくる。
 それでも、はなをすすり、どうにか喉を解放して、彼の耳に届くように言葉を紡いだ。

「守ってください。私のこと、ずっと。私があなたの道標なら、あなたは私のたったひとりの、ヒーローなんですから」

 あふれる涙の量に比例するように、だんだんと声も大きくなった。どうにか、勇朔さんに生きてと伝えたい。

「好きだって、愛してるって、真正面から伝えさせてください!」

 思い切り言い切る。すると微かに、勇朔さんの指先が動いたような気がした。

「勇朔、さん……?」

 彼の顔をじっと見つめる。ぴくりとかすかにまぶたが動き、私は思わず身を乗り出した。

「勇朔さん!」

 勇朔さんの双眼が、ゆっくりと開く。

「芽郁、さん……?」

 顔を覗き込んでいた私は、その声に心が震えた。

「勇朔さん!」

 私はもう一度彼の名を呼び、たまらず彼の胸もとに抱きついた。

「良かった、生きてる……」

 安堵したらこらえていた涙が急激にあふれ出して、声が出せなくなる。
 だけど、勇朔さんの顔を見ていたくて、抱きついたまま彼を見上げた。
< 167 / 178 >

この作品をシェア

pagetop