へなちょこリリーの惚れ薬

地下への扉

また調べてみるね、とトレニアは帰っていった。


私は、久しぶりにちゃんと寝ようと思って、枕カバーとシーツを換えた。
黒百合の女神のことが何故か気になり、とても練習に手がつかなかったから。

(おばあちゃんに聞いたら早いんだろうけど)

どうして知ってるか、まず話さないといけないし、そうすると、ノア様の話も全部しないといけない。

私の心を重くしてる理由は、きっとそこなんだ。

ノア様はおばあちゃんの元カレ。
100歳をとっくに越えているうちのおばあちゃん。

ノア様と結ばれることはなかったから、私が生まれた。



……私がどうこういえることでは、ないけど……。





おばあちゃんは、きっとノア様が死を選ぶのを最後まで反対したに違いない。
好きな人ならそうする。

……黒百合は。
どうしておばあちゃんの説得を聞いてくれなかったのだろう。
本人に聞かなきゃわからないだろうけど。

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