先生の金魚
二匹の金魚は寄り添って小さい水槽の中を泳ぎ続ける。
離れようとしない。
離れてしまったら死んじゃうみたいに。
サヨちゃんの部屋は目を引くアクアリウム以外は特に変わったものはなくて途中、お母さんが持ってきてくれたジュースのオレンジ色でさえも浮いて見える。
だけどメグはアクアリウムも偽物の水草のグリーンも
ジュースのオレンジ色も、どうでもよかった。
この部屋で一番異質な物は…。
「サヨちゃん」
「ん?」
「あれ」
チェストの上に立て掛けてある木製の写真立て。
浴衣姿のサヨちゃん。
顔の高さまで、口を細い糸で縛られたポリ袋を持ち上げて
やわらかく微笑んでいる。
点に見える赤はきっとこの金魚達。
「あ…あぁ、その…」
「お祭り?」
「うん…」
「さっき言ってた、この金魚の時の?」
「そう。去年の…」
「へーぇー……そうなんだ?」
「うん…」
「隣の人」
「……ナツくん…由良先生だよ」
離れようとしない。
離れてしまったら死んじゃうみたいに。
サヨちゃんの部屋は目を引くアクアリウム以外は特に変わったものはなくて途中、お母さんが持ってきてくれたジュースのオレンジ色でさえも浮いて見える。
だけどメグはアクアリウムも偽物の水草のグリーンも
ジュースのオレンジ色も、どうでもよかった。
この部屋で一番異質な物は…。
「サヨちゃん」
「ん?」
「あれ」
チェストの上に立て掛けてある木製の写真立て。
浴衣姿のサヨちゃん。
顔の高さまで、口を細い糸で縛られたポリ袋を持ち上げて
やわらかく微笑んでいる。
点に見える赤はきっとこの金魚達。
「あ…あぁ、その…」
「お祭り?」
「うん…」
「さっき言ってた、この金魚の時の?」
「そう。去年の…」
「へーぇー……そうなんだ?」
「うん…」
「隣の人」
「……ナツくん…由良先生だよ」