『Special Edition③』
彼女からのプレゼントは、俺が愛用しているブランドのベルトだった。
しかも、これ限定品のやつじゃん。
つぐみは常に身に着けられるものをいつもプレゼントしてくれる。
それがくすぐったくて、心が満たされるんだよな。
「ありがとな」
「こちらこそだよ~。仕事しながら、ニヤニヤが止まんないかも」
「だと嬉しいな」
仕事をしている時のつぐみは、電卓の鬼と思えるほど険しい顔つきだけれど、俺の前ではこんなにも柔らかい表情を覗かせてくれる。
俺だけが知る、彼女の一面。
いや、最近じゃ俺だけでなく、息子の忍も知ってるか。
「辰希(前島部長の息子)以外で、他の男と風呂に入っているのを知らされるのもな」
「なっ……他の男って、自分の息子じゃない。それにまだ4歳よ」
「4歳でも男は男だろ。付くもん付いてるんだから歴とした男だよ」
「……もうっ」
『ママのね~おむねはとってもやわらかいんだよ~』知ってるよ、そんなこと。
ってか、他の男とシェアしたくないのに。
あと2~3年の辛抱か?
そしたら母親と一緒に、風呂に入らなくなるだろ。
仕方ないから、あと3年くらい我慢してやるか。
「明日は一日歩くから、今日はそろそろ休むか?」
時間を確認すると既に0時半。
つぐみは早起きだから、早いところ休ませないと寝る時間が無くなってしまう。
「もう寝るの?」
「……そういうこと言うと、どうなっても知らねーぞ」
「フフッ、だってせっかくの結婚記念日だし」
俺の奥様は小悪魔すぎるな。
こんな風におねだりされたら、心頭滅却したのがばかばかしく思えて来る。
サラッとした長い黒髪に指を滑らせ、アルコールがかった吐息を漏らす唇にそっとキスを落とした。