『Special Edition③』


 すやすやと気持ちよさそうに眠る子羊。
 何かのゆるキャラなのか、凄く可愛らしくて。
 思わず見惚れてしまう。



 どこからともなく心地いい子守唄が流れて来て、子羊を寝かしつけてるのかしら?だなんて思ってしまう。

 何ていう名前の子羊ちゃんだろう?
 忍にも見せてあげたいなぁ。
 ふとそんなことを考えていると、ゆさゆさと体が少し強引に波打って。

「ママ」
「……っ、おはよ」

 揺さぶり起こした犯人は、愛息子の忍だった。

 そうか、さっきのは夢か。
 久しぶりに夢を見た気がする。

 本当は毎日見ているのかもしれないけれど、最近は起きると覚えていなくて。

「ママ、なにかのみたい」
「あ~、はいはい」

 三重県南部とはいえ、1月の気温は東京と変わらない。
しかも宿泊している宿が山間部に位置していて、結構底冷えする。
だから、室内の暖房がしっかりと効いていて、乾燥による喉の渇きがかなりある。

 荷物の中から、来る時に買ったペットボトルのお茶を取り出し、封を開ける。

 愛しの旦那様はまだ寝ていて、気持ちよさそうに寝息を立てている。

「ママを起こしてくれて、ありがとうね」
「ん?」
「パパは運転で疲れてるだろうから、ゆっくり寝かしてあげよう?」
「うん!」

 6時間近い運転と、なんだかんだと『結婚記念日』のおねだりをしてしまったから、彼はいっぱいご奉仕してくれて、たぶん疲れてるよね。
 時計に目をやると、午前5時を少し回ったばかり。

「忍、まだ早いから、もう少し寝てていいよ」
「はぁ~い」

 お茶を飲み終えた忍は、スカイレンジャーのフィギュアを握りしめて、布団に潜り込んだ。
 そんな愛息子を背後から抱き締め、私ももう少しだけ休むことに。
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