🕊 平和への願い 🕊 【新編集版】  『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』にリスペクトを込めて。
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「なんてこと!」

 公園のベンチに座っていたマルーシャが悲痛な声を上げた。
 すぐ近くの集合住宅にミサイルが命中したのだ
 。炎に包まれた中層階部分が原形をとどめない姿を晒していた。

「マルーシャ!」

 大きな声を発したナターシャは彼女の腕を引っ張った。
 マルーシャの自宅地下のシェルターへ逃げるためだ。

「急いで!」

 振り返り振り返り炎の方へ顔を向けるマルーシャに強く促したが、彼女の足は遅々として進まなかった。

「早く!」

 たまらなくなって背中を押すと、やっと我に返ったのか、足が進みだした。
 二人は駆け足でシェルターへ逃げ込んだ。

 そこにはマルーシャの夫と娘が青ざめた顔で座っていた。
 それは無理もないことだった。
 連日のように飛んでくるドローンに加えてミサイルが撃ち込まれたのだ。
 平静でいられるわけがなかった。
 それでも彼らはオデーサから逃げ出さない。
 とどまり続ける覚悟を決めているのだ。
 だから自分も逃げない。
 この人たちと共に戦っていく。
 そう決意を新たにしたが、マルーシャの態度は昨日までと一転して厳しいものに変わった。

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