心が解けていく
「律…、くん」
吃りながら迷った末に、くん呼びをしてみた。
するとガバッと私から離れて、こちらにまん丸とした目を向けている。
すぐに目を逸らすと目を押さえる仕草を見せて、また私を抱きしめた。
「ごめん…。想像以上の破壊力だったから、ちょっと動揺した」
「え?」
「これからも、律くんって呼んでくれる?」
「はい」
私の頭を一撫ですると、〝キスしたかったけど、仕事が終わってからのご褒美に取っておくね〟と耳元で言われて、顔に熱が集中したのが分かった。
そんな私の反応を見て、くしゃっと口角を上げた律くん。
「マンガ肉、焼こっか」
「はい!」
あなたの言葉とその笑顔の方が、破壊力ありますよ。