心が解けていく



「長谷さんも、食べましょう?しかも、お礼なんてされるようなこと、私は何もしてないですもん」


「いやいや。助けてもらったの初めてだし、本当に感謝してるから」




と言いながらも、カウンターにあった割り箸を一膳差し出すと、受け取ってくれた。




「うん、美味い。ここ、よく来るの。大将が俺を特別扱いしないから」


「特別扱い…」




芸能人だと、歩いていてバレそうになるのはよくあることらしい。

誰か一人が気づくと、周りも長谷 律だと気づき出し、話しかけてくるとか。



肯定すべきか否定すべきか迷っている間に本物だと完全にバレ、街の中はよく声が響くから一気に正体がバレて、パニックに。



「俺にだってプライベートの時間を楽しみたい気持ちはある。でも、普通に外を歩けないんだ。テーマパークなんて、もっての外だし」



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