心が解けていく





律くんのおかげで、自分のことをこれ以上嫌いにはなっていない。


自分で苦しんでいるのは分かっていたから、わざわざ地獄に帰るような真似はしない。






「じゃあ、約束」





そう言って私から離れると、また手が重なった。


私の膝に手を置いてじっと私を見つめ、表情が真剣に変わる。



私の背中もピシッと伸びた。





「あいつにもう一回会って、茜音ちゃんがどう思ってたのか、ちゃんと伝えよう。辛かったってことも言おう」


「…分かってくれますかね」


「それは、あいつにしか分からないよ。分かってもらえなかったら、こっちもそれなりのことをする」






それなり。


直接やり返すわけじゃないと思う。


< 242 / 265 >

この作品をシェア

pagetop