心が解けていく
大将が肩をすくめながら、カウンター下の冷蔵庫を開けるためにしゃがむと、長谷 律は鋭い目つきをやめて私の方へ向く。
「あ、先に食べてる」
「…待ってた方が良かったですか?」
「別にそういうわけじゃないから。美味しい?」
「はい、すごく。大将の作ってくださるご飯は、全部美味しいです」
「…だってー」
また拗ねてる。
そうか。長谷さんは、大将を取られると思って嫉妬しているのかもしれない。
だから私が料理を褒めると、怒るのかも。