心が解けていく




フラフラになりながら何とかリビングに着くと、馴染みのある柔軟剤の香りと、朝片付けられなかった化粧品の香りがして安心したらしく、全身が床に吸い込まれてしまった。




「ありがとうございましたぁ」


「あと、できる?」


「できます!これ以上迷惑かけられないんで…。すみませんでした」


「ふふっ。少しは酔いも覚めたかな」





ようやく出た謝罪の言葉を聞いて、帰ろうとする長谷 律。




「帰るんですかぁ?見送りますっ!」




今崩れ落ちたところなのに、見送りに玄関まで行けるわけがない。

またリビングまで送ってもらうか、這いつくばりながら自分で戻るのが見えているのに。



四つん這いから立とうとすると、私の頭の上に長谷 律の手が乗った。




「…え?」



< 99 / 265 >

この作品をシェア

pagetop