深瀬くんが甘すぎる


ちょっとだけ怖いと思う気持ちが和らいで、その代わりにもう少し彼のことを知りたいという気持ちが顔を出す。
けどやっぱりまだ怖いのと周りからの注目を集めることの気まずさが勝って、わたしは深瀬くんの返事にもう一度小声で「よろしく」と返して視線を逸らした。

わたしと深瀬くんの会話が終わると、みんなそれを待ってたみたいに少しずつさっきまでのにぎやかな教室が戻って来た。
私の机の近くで固まっていた志穂も、わたしの視線が戻って来たのに気づいて、「そういえば、この前やってた特番見た?」と話題を出してくれる。
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